目次
魏志倭人伝全文解説 Part 2
魏志倭人伝の核心部、一大卒と女王の宮室と城柵の記述。この意味する所が最重要である。本記事のPart 2でも、『魏志倭人伝』の原文を用い、懲りずに記載内容の原文を一行一句ていねいに解読していく。
一般的な現代語訳や要約では省かれがちな表現や語順にも注目し、原文そのものが何を語っているのかを重視する構成とした。
邪馬台国の所在地や卑弥呼像については、さまざまな説が提示されてきたが、それらの多くは『魏志倭人伝』の部分的な引用に基づいている。この記事では結論を急がず、まず全文を通して読み解くことで、倭国の社会構造、政治制度、宗教観、外交の実態等を考えることを目的としている。
原文を正確に追うことで、各々が持つ従来のイメージとは異なる倭国像を考えることができるはずである。
魏志倭人伝の全文(暗号文) Part 2/3
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頭不去蟣蝨衣服垢汚不食肉不近婦人如喪人名之爲持衰若行者吉善共顧其生口財物若有 疾病遭暴害便欲殺之謂其持衰不謹出真珠靑玉其山有丹其木有枏杼豫樟楺櫪投橿鳥號楓 香其竹篠簳桃支有薑橘椒蘘荷不知以爲滋味有獮猴黒雉其俗擧事行來有所云爲輒灼骨而 卜以占吉凶先告所卜其辭如令龜法視火坼占兆其會同坐起父子男女無別人性嗜酒 魏略曰其俗不知正歳四節但計春耕秋収爲 年紀 見大人所敬但摶手以當跪拝其人 壽考或百年或八九十年其俗國大人皆四五婦下戸或二三婦婦人不淫不妬忌不盗竊少諍訟 其犯法輕者没其妻子重者滅其門戸及宗族尊卑各有差序足相臣服収租賦有邸閣國國有市 交易有無使大倭監之自女王國以北特置一大率檢察諸國諸國畏憚之常治伊都國於國中有 如刺史王遣使詣京都帯方郡諸韓國及郡使倭國皆臨津搜露傳送文書賜遣之物詣女王不得 差錯下戸與大人相逢道路逡巡入草傳辭説事或蹲或跪兩手據地爲之恭敬對應聲曰噫比如 然諾其國本亦以男子爲王住七八十年倭國亂相攻伐歷年乃共立一女子爲王名曰卑彌呼事 鬼道能惑衆年已長大無夫婿有男弟佐治國自爲王以來少有見者以婢千人自侍唯有男子一 人給飲食傳辭出入居處宮室樓觀城柵嚴設常有人持兵守衞女王國東渡海千餘里復有國皆 倭種又有侏儒國有其南人長三四尺去女王四千餘里又有裸國黒齒國復在其東南船行一年 可至參問倭地絶在海中洲㠀之上或絶或連周旋可五千餘里景初二年六月倭女王遣大夫難 升米等詣郡求詣天子朝獻太守劉夏遣吏將送詣京都其年十二月詔書報倭女王曰制詔親魏 倭王卑彌呼帶方太守劉夏遣使送汝大夫難升米次使都市牛利奉汝所獻男生口四人女生口 六人班布二匹二丈以到汝所在踰遠乃遣使貢獻是汝之忠孝我甚哀汝今以汝爲親魏倭王假 金印紫綬装封付帶方太守假授汝其綏撫種人勉爲孝順汝來使難升米牛利渉遠道路勤勞今 以難升米爲率善中郎將牛利爲率善校尉假銀印靑綬引見勞賜遣還今以絳地交龍錦五匹 臣松之以爲地應爲綈漢文帝著皁衣謂之弋綈是也此字不體非魏朝之失則傳冩者誤也 絳地縐粟罽 十張蒨絳五十匹紺青五十匹荅汝所獻貢直又 |
航海と持衰

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1 |
頭不去蟣蝨衣服垢汚不食肉不近婦人如喪人 |
- 頭不去蟣蝨 = 頭の虱(しらみ)を取らない
- 衣服垢汚 = 衣服は垢で汚れている
- 不食肉 = 肉を食べない
- 不近婦人 = 婦人に近づかない
- 如喪人 = 喪に服する者のようである
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1 |
名之爲持衰若行者吉善共顧其生口財物 |
- 名之爲持衰 = これを「持衰」と名づける
- 若行者吉善 = もし旅が吉で順調であれば
- 共顧 = 共に顧みて
- 其生口財物 = 人や財物を守る
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1 |
若有疾病遭暴害便欲殺之謂其持衰不謹 |
- 若有疾病 = もし病が起これば
- 遭暴害 = 突発的な災害に遭えば
- 便欲殺之 = すぐにその者を殺そうとする
- 謂其持衰不謹 = 持衰が慎みを欠いたためだと言う
産物・植物

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1 |
出真珠靑玉 |
- 出 = 産出する
- 真珠 = 真珠
- 靑玉 = 青玉
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1 |
其山有丹 |
- 其山 = その山には
- 有丹 = 丹(辰砂)がある
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1 |
其木有枏杼豫樟楺櫪投橿鳥號楓香 |
- 其木有 = その木には
- 枏 = 楠
- 杼 = 梓
- 豫 = 樟の類
- 樟 = 樟脳樹
- 楺 = 槻
- 櫪 = 櫟
- 投 = 檮
- 橿 = 橿
- 鳥號 = 鳥の名で呼ばれる木
- 楓香 = 楓および香木
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1 |
其竹篠簳桃支有薑橘椒蘘荷不知以爲滋味 |
- 其竹 = その竹には
- 篠簳 = 細竹・矢竹
- 桃支 = 桃の枝
- 有薑 = 生姜があり
- 橘 = 橘があり
- 椒 = 山椒があり
- 蘘荷 = 茗荷がある
- 不知以爲滋味 = それらを調味料として用いることを知らない
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1 |
有獮猴黒雉 |
- 有 = 存在する
- 獮猴 = 猿
- 黒雉 = 黒い雉
占い

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1 |
其俗擧事行來有所云爲輒灼骨而卜以占吉凶 |
- 其俗 = その風俗では
- 擧事 = 事を起こすとき
- 行來 = 行動する際
- 有所云爲 = 何かをしようとする場合
- 輒 = すぐに
- 灼骨 = 骨を焼き
- 而卜 = 占い
- 以占吉凶 = 吉凶を占う
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1 |
先告所卜其辭如令龜法 |
- 先告 = 先に告げる
- 所卜 = 占う内容を
- 其辭 = その言葉は
- 如令龜法 = 亀卜の法に従う
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1 |
視火坼占兆 |
- 視 = 見て
- 火坼 = 焼け割れを
- 占兆 = 占兆とする
文化
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1 |
其會同坐起父子男女無別 |
- 其會同 = 集会の際には
- 坐起 = 座るにも立つにも
- 父子男女 = 父子・男女の区別なく
- 無別 = 区別がない
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1 |
人性嗜酒 |
- 人性 = 人々の性質は
- 嗜酒 = 酒を好む
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1 |
魏略曰其俗不知正歳四節 |
- 魏略曰 = 『魏略』に言う
- 其俗 = その風俗は
- 不知正歳 = 正確な年の始まりを知らず
- 四節 = 四季の節目も知らない
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1 |
但計春耕秋収爲年紀 |
- 但計 = ただ
- 春耕 = 春の耕作と
- 秋収 = 秋の収穫を
- 爲年紀 = 年の区切りとする
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1 |
見大人所敬但摶手以當跪拝其人 |
- 見大人 = 身分の高い者を見ると
- 所敬 = 敬うべき相手として
- 但摶手 = 手を打ち合わせ
- 以當 = それをもって
- 跪拝 = 跪拝の代わりとし
- 其人 = その人物に対する
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1 |
壽考或百年或八九十年 |
- 壽考 = 寿命は
- 或百年 = 百年に及ぶ者もあり
- 或八九十年 = 八、九十年の者もいる
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1 |
其俗國大人皆四五婦 |
- 其俗 = その風俗では
- 國大人 = 国の有力者は
- 皆 = 皆
- 四五婦 = 四、五人の妻を持つ
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1 |
下戸或二三婦 |
- 下戸 = 身分の低い者でも
- 或二三婦 = 二、三人の妻を持つことがある
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1 |
婦人不淫不妬忌不盗竊少諍訟 |
- 婦人 = 婦人は
- 不淫 = 淫らでなく
- 不妬忌 = 嫉妬せず
- 不盗竊 = 盗みをせず
- 少諍訟 = 争いも少ない
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1 |
其犯法輕者没其妻子 |
- 其犯法 = 法を犯した場合
- 輕者 = 軽罪なら
- 没其妻子 = 妻子を没収される
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1 |
重者滅其門戸及宗族 |
- 重者 = 重罪なら
- 滅其門戸 = 家を滅ぼされ
- 及宗族 = 一族に及ぶ
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1 |
尊卑各有差序足相臣服 |
- 尊卑 = 身分の上下には
- 各有差序 = それぞれ序列があり
- 足相臣服 = 互いに服従する
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1 |
収租賦有邸閣 |
- 収租賦 = 租税を徴収し
- 有邸閣 = 倉庫がある
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1 |
國國有市交易有無 |
- 國國 = 国ごとに
- 有市 = 市があり
- 交易 = 交易を行い
- 有無 = 物資の有無を補う
一大卒
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1 |
使大倭監之 |
- 使 = 任命して
- 大倭 = 大倭(官職)に
- 監之 = 監督させる
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1 |
自女王國以北特置一大率檢察諸國 |
- 自女王國以北 = 女王国より北では
- 特置 = 特別に
- 一大率 = 一人の大率を置き
- 檢察諸國 = 諸国を監察する
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1 |
諸國畏憚之 |
- 諸國 = 諸国は
- 畏憚之 = これを恐れる
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1 |
常治伊都國 |
- 常治 = 常に治めるのは
- 伊都國 = 伊都国である
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1 |
於國中有如刺史 |
- 於國中 = 国の中において
- 有如刺史 = 刺史のような存在がいる
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1 |
王遣使詣京都帯方郡諸韓國及郡使倭國 |
- 王 = 女王は
- 遣使 = 使者を遣わし
- 詣京都 = 都へ赴かせ
- 帯方郡 = 帯方郡
- 諸韓國 = 諸韓国
- 及郡使倭國 = 郡の使者が倭国に来る場合
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1 |
皆臨津搜露傳送文書賜遣之物 |
- 皆 = すべて
- 臨津 = 港に臨み
- 搜露 = 検査し
- 傳送 = 伝送する
- 文書賜遣之物 = 文書や下賜品を
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1 |
詣女王不得差錯 |
- 詣女王 = 女王のもとに至るまで
- 不得差錯 = 誤りがあってはならない
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1 |
下戸與大人相逢道路逡巡入草 |
- 下戸 = 身分の低い者が
- 與大人 = 身分の高い者と
- 相逢 = 出会えば
- 道路逡巡 = 道を譲ってためらい
- 入草 = 草むらに入る
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1 |
傳辭説事或蹲或跪 |
- 傳辭説事 = 言葉を伝え事を述べる時
- 或蹲 = しゃがむか
- 或跪 = 跪く
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1 |
兩手據地爲之恭敬 |
- 兩手 = 両手を
- 據地 = 地につけ
- 爲之恭敬 = 敬意を表す
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1 |
對應聲曰噫比如然諾 |
- 對 = 応対するとき
- 應聲 = 声を合わせ
- 曰噫 = 「あい」(はい?)と言い
- 比如然諾 = 承諾を示す
倭国大乱と女王
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1 |
其國本亦以男子爲王 |
- 其國 = その国は
- 本亦 = もとは
- 以男子爲王 = 男子を王としていた
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1 |
住七八十年倭國亂相攻伐歷年 |

- 住 = その状態が
- 七八十年 = 七、八十年続き
- 倭國亂 = 倭国は乱れ
- 相攻伐 = 互いに攻め合い
- 歷年 = 年月を経た
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1 |
乃共立一女子爲王 |
- 乃 = そこで
- 共立 = 共に立てた
- 一女子 = 一人の女子を
- 爲王 = 王とした
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1 |
名曰卑彌呼 |
- 名曰 = 名を
- 卑彌呼 = 卑弥呼という
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1 |
事鬼道能惑衆 |
- 事鬼道 = 鬼道に仕え
- 能惑衆 = 人々をよく服従させた
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1 |
年已長大無夫婿 |
- 年已長大 = 年はすでに成人し
- 無夫婿 = 夫はいない
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1 |
有男弟佐治國 |
- 有男弟 = 男の弟がいて
- 佐治國 = 国政を補佐する
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1 |
自爲王以來少有見者 |
- 自爲王以來 = 王となって以来
- 少有見者 = 人前に姿を見せない
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1 |
以婢千人自侍 |
- 以 = もって
- 婢千人 = 千人の侍女が
- 自侍 = 自らに仕える
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1 |
唯有男子一人給飲食傳辭出入 |
- 唯有 = ただ
- 男子一人 = 一人の男子だけが
- 給飲食 = 飲食を給し
- 傳辭 = 言葉を伝え
- 出入 = 出入りする
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1 |
居處宮室樓觀城柵嚴設 |

- 居處 = 住居は
- 宮室 = 宮殿で
- 樓觀 = 楼閣があり
- 城柵 = 城と柵が
- 嚴設 = 厳重に設けられている
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1 |
常有人持兵守衞 |
- 常有 = 常に
- 人 = 人が
- 持兵 = 武器を持ち
- 守衞 = 守衛している
女王国の東
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1 |
女王國東渡海千餘里復有國皆倭種 |
- 女王國東 = 女王国の東に
- 渡海千餘里 = 海を千余里渡ると
- 復有國 = さらに国があり
- 皆倭種 = すべて倭人である
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1 |
又有侏儒國 |
- 又有 = また
- 侏儒國 = 侏儒国がある
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1 |
有其南人長三四尺 |
- 有其南 = その南に
- 人長 = 人の背丈は
- 三四尺 = 三、四尺である
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1 |
去女王四千餘里 |
- 去女王 = 女王国から
- 四千餘里 = 四千余里離れている
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1 |
又有裸國黒齒國 |
- 又有 = また
- 裸國 = 裸国
- 黒齒國 = 黒歯国がある
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1 |
復在其東南船行一年可至 |
- 復在其東南 = さらに東南にあり
- 船行一年 = 船で一年行けば
- 可至 = 到達できる
倭国の位置
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1 |
參問倭地絶在海中洲㠀之上 |
- 參問 = 総合すると
- 倭地 = 倭の地は
- 絶在 = 離れて存在し
- 海中洲㠀之上 = 海中の島々の上にある
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1 |
或絶或連周旋可五千餘里 |
- 或絶 = 離れている所もあり
- 或連 = 連なっている所もあり
- 周旋 = 巡ると
- 可五千餘里 = 五千余里に及ぶ
女王の朝貢(景初2年=西暦238年)
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1 |
景初二年六月倭女王遣大夫難升米等詣郡 |
- 景初二年六月 = 西暦238年6月
- 倭女王 = 倭の女王が
- 遣大夫 = 大夫
- 難升米等 = 難升米らを
- 詣郡 = 郡に遣わした
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1 |
求詣天子朝獻 |
- 求 = 求めて
- 詣天子 = 天子に謁し
- 朝獻 = 朝貢する
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1 |
太守劉夏遣吏將送詣京都 |
- 太守劉夏 = 太守の劉夏が
- 遣吏 = 役人を遣わし
- 將送 = 護送して
- 詣京都 = 都へ向かわせた
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1 |
其年十二月詔書報倭女王曰 |
- 其年十二月 = その年十二月
- 詔書 = 詔書で
- 報倭女王曰 = 倭の女王に答えて言う
まとめ
倭国と邪馬台国の関係、伊都国の一大卒の存在、女王の宮室・城柵、倭人の風習など興味深い記載が続く。政治システムは粗野で暴力的ではあるが非常に規律正しいような印象を受ける。特に、女王卑弥呼を中心とした統治体制、諸国を監察する役職、市場や租税制度、刑罰の基準などは、具体的かつ一貫した記述で示されている。
また、卑弥呼は宗教的存在であると同時に、外交と内政の要として機能しており、その権威は中国王朝からの正式な冊封によって裏付けられている。こうした点は、原文を通読することで初めて立体的に想像できる。
暦の不使用

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1 |
其俗不知正歳四節 |
通常は省かれがちなポイントであるが、邪馬台国内には「カレンダー(暦や年始や四季)が無い」というのも非常に貴重な情報である。
この時代は暦どころか日付すら使っていたのか疑わしい。後世になって古事記などを編纂する時の苦労が伺える記述であり、なぜ数理統計的補正が必須かの説明になる。
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1 |
但計春耕秋収爲年紀 |
また、邪馬台国内では田植えと収穫の時期しか使っていないが、春の田植えと秋の収穫の国内での同期は女王の重要な役割の一つである可能性は高い(=耶馬台国内の租税の徴収時期や収穫物の質や量に直結する)。例えば、神話には天照大御神が新嘗祭(収穫の祭り)を行った事績が記載されている。
邪馬台国がどこにあったのかを考える前に、まず「どのような国であったのか」を正確に把握することが重要である。本記事が、『魏志倭人伝』を根拠とした議論を行うための、確かな土台となれば幸いである。